ストーマ周囲の洗浄

ストーマ装具交換時の洗浄

ストーマの周りは、ストーマ装具を外した時に洗浄します。洗う時は、ごしごしこすったりせず、肌に負担をかけないようやさしく撫でるように洗うことが大切です。
洗浄料には、水で洗い流すものや洗い流す必要がないもの、泡で出てくるタイプ、クリーム状で拭き取るものなど、いろいろな種類があります。

洗浄料の種類と使い分け

洗浄料の成分は、お肌への刺激が低い弱酸性のものがおすすめです。
泡で出てくる洗浄剤は、泡でよごれを包みこみ、こすらずに洗浄できるためお肌の負担を減らすことができます。拭き取るだけの洗浄料は、お部屋やベッドの上でストーマ装具を交換する時に、周囲を濡らさずに洗浄することができます。また、災害時など水が使えないときでも使えます。旅行先や外出時で装具交換をする場合には、1回分が小分けになった洗浄料や、携帯サイズの洗浄剤などが便利です。

装具交換の手順（消化器系ストーマの場合）
皮膚の洗浄は1分14秒～です。

洗浄料のご紹介

洗い流す必要がないもの
リモイス　泡クレンズ 2,310円	濃密な泡が汚れをしっかり包んで浮き上がらせ、皮膚に摩擦を与えることなく汚れを取り去ります。やさしく拭き取るだけで汚れを落とします。
ベーテルF　泡洗浄料 1,540円	泡立ても洗い流しも不要の清拭・洗浄料です。ガーゼ等で拭き取るだけの使用が可能です。保湿成分セラミド配合で、洗浄後の肌を保湿します。
プラミューズ　洗浄フォーム 1,430円	やわらかな泡で汚れを浮かせて肌を洗浄する、弱酸性洗浄フォームです。保湿成分のヒト型セラミド配合で、洗浄後の肌のキメを整え、はり・ツヤを与えます。
シルティ　水のいらないもち泡洗浄 2,178円	天然保湿成分ピュアセシリン配合で、保湿しながら洗浄・清拭ができます。水で濡らしたガーゼ等でやさしく拭き取るだけの使用が可能で、水などで洗い流す必要はありません。
リモイスクレンズ 1,650円	天然オイルで汚れを浮き上がらせ、こすらずに拭き取るだけで皮膚を洗浄できる洗浄クリームです。保湿成分配合で皮膚をしっとりなめらかに保ちます。
セキューラCL 1,803円	スプレー式の洗浄料です。泡立てる必要がなく、片手で使えます。吹きかけてから約5～10秒間そのままにした後、ガーゼなどで拭き取ります。
洗い流すタイプ
コラージュフルフル　泡石鹸 2,530円	泡で汚れを浮き上がらせ、ごしごしこすらなくても汚れをやさしく落とせます。殺菌成分を配合し、体臭・汗臭、加齢臭の予防、足のニオイ予防、ムレた足の洗浄におすすめです。洗浄後はお湯で洗い流します。

入浴やシャワーについて

ストーマ装具は、つけたまま入浴する場合とはずして入浴する場合があります。

尚、カテーテルが挿入されている尿路ストーマの方は、ストーマ装具をはずしての入浴は行えませんので、装具をつけたままの入浴になります。

ストーマ装具をつけたまま入浴する場合

ストーマ装具の面板は、高い温度や水分によって溶けやすい素材でできていますので、お湯に長く浸かる場合は、面板の外周部がふやけたり溶けたりすることがあります。

面板がふやけたり溶けたりするのが心配な方は、防水テープを面板の周りに貼ったり、入浴用シートでストーマ装具全体を覆って入浴されると良いでしょう。

防水テープ	入浴用シート

銭湯や宿泊施設の大浴場などの公衆浴場を利用する際に、ストーマ袋が気になる場合は、肌色や小さめのストーマ装具を利用すると目立ちにくくなります。
湯船でパウチが浮くのをおさえる入浴用ベルト「みまもり帯」は、パウチを上から覆い、目立たず装着することができます。防水機能はございませんので、湯船につかる時は、防水テープで面板の周囲を覆って入浴されると良いでしょう。

ミニクローズ（入浴用パウチ）	みまもり帯（入浴用ベルト）

装具をはずして入浴する場合

ストーマ装具をはずして入浴する場合は、排泄物の出にくい時間帯などを考慮していく必要があります。
お湯の温度によってはストーマの粘膜の火傷を起こすことがありますので、熱いお風呂やシャワーが好きな方は温度に注意が必要です。

消化管ストーマの方
食後2時間くらいは便が出やすくなりますので、可能な限り避けて入浴をしましょう。また入浴中に排泄物が出てくる場合もあるため、対応できる準備をしておくと安心です。不意の排便が心配な場合はおわん状の容器などをストーマに当てたり、ビニール袋などを準備したりしておくとよいでしょう。

尿路ストーマの方
尿は常に出ていますので、気になる方はストーマ装具をつけたまま入浴しましょう。

退院時に準備するもの

病院を退院すると、自宅や施設でのストーマケアが始まります。退院時には、ストーマ装具と一緒に、ストーマ装具の交換時に使うケア用品も準備しておきましょう。
ストーマ装具を交換する時に使うのは、ストーマ装具を取り外す時に使う粘着剥離剤、ストーマの周りの皮膚を洗浄する洗浄料、洗浄料を拭き取るためのガーゼなどです。
あると便利なものとしては、衣類を固定しておくための固定具や使用済のストーマ装具を入れる処理袋などがあります。
消臭潤滑剤は、排泄物の排出をスムーズし消臭も行いますので、あると便利な商品です。

ストーマケアのポイント

災害対策

災害に備えて、自分が使用しているストーマ装具を備蓄する場合は、１週間分を目安に準備しましょう。ストーマケア製品（消臭剤、凝固剤、皮膚保護剤、皮膚保護シール、ストーマパウダー、ベルト、はさみ等）や、最低限必要と思われる下着なども準備しておきましょう。
災害時は、水が使えないことが多くあります。水を使わずに洗浄できる拭き取るだけの洗浄料も、用意しておくと安心です。
※備蓄している中身は１年に１回、入れ替えましょう。